中国旅行

黄山強制登山

安徽省黄山市・黄山風景区

2020年現在、新路線の開通により黄山の玄関である黄山北駅までは上海から直通2時間半、200元弱(3,000円程度)の高速鉄道でアクセスできるようになっています。我々が行った頃は上饶という駅で乗換して4時間以上、330元くらい掛かっていました。

黄山北駅を出て右に進むとタクシー乗り場の先にバスターミナルの建物があります。ここから黄山の麓にある湯口鎮ターミナルへバスが出ています。更にそこから黄山の各入山口へは行き先ごとのマイクロバスに乗り換えてアクセスします。

我々は玉屏ロープウェイで山上駅まで登り、すぐそばの玉屏楼賓館というホテルに泊まってご来光を待つという予定です。まず呑気にビールを飲みながら昼飯を食べ、山上の物価が高いことを見越して麓の商店で夜の酒やツマミを買い、さてマイクロバスでロープウェイ駅に行こうとしていました。

白タクの運転手が近づいてきました。「ロープウェイは動いてない」…よくある手段です。自分が北門のロープウェイ搭乗ルートを案内してやる、と言います。こんなお手本のような手口…そもそもなんで?天候不良?と問い詰めると整備中と答えます。みんな徒歩で登り降りしてるんだそうです。彼らを見ろ!と…

そばで西洋人のカップルがへたりこんでゼエゼエいってます。

★★注意!★★
大型連休後客足が一段落する頃に合わせ二週間ほど定期点検をする!

って知らねえよ。よりによってこの玉屏山上にホテル取ってしまいました。徒歩だと4時間くらいかかると聞き友人は心が折れそうになっていましたが、頑張る方向に誘導しました。予定変更やホテル取消のやり取りがめんどくさいというのが本音ですが、実は私、この旅行計画が立ってから日本で毎晩リュックに鉄アレイを入れ負荷を掛けながら近所の団地の15階まで往復するとか、地道な事前トレーニングをしていたので登頂する自信があったのです。しかしさっき購入した重いビールは余計な足枷となりました。

慈光閣というお寺が登山口で、そこまではマイクロバスが通っています。改札口で待っていると後ろにも日本人の若者グループが並びました。彼らは元から足での登山目的だったようですが、ロープウェイ運休の情報はやはり知らなかったと言います。

つづら折りの道をマイクロバスで30分ほど登り慈光閣に到着しました。ここに風景区入場門もあり、230-40元(3,500円あまり)くらいの入山料を支払いました。ちなみに2019年の情報ではやや安くなっているみたいです。

黄山は言わずと知れた中国名山の一つで世界遺産登録されています。雲海立ち上る様子は仙人が棲む山という形容がピッタリです。奇松・怪石・雲海・温泉の四大特徴を「黄山四絶」と呼び、その唯一無二の景観は国内外に知れ渡っています。

でもさっき公式サイトを見たら奇松・怪石・雲海・温泉・冬雪「五絶」と呼ぶ!と書いていました…こっそり一つ増えております。

15時半チャレンジ開始。見上げる黄山の岩山は美しいですが、あの上へ自力で登らなくてはいけないと思うとウンザリします。反面では興奮もしています。

こういう石段をひたすら、ただひたすらに登ります。かなり急でスパンの狭い石段が多いので下山者は慎重に下って行きます。
気分的には登山というよりは参拝ぽいです。そして終わりの見えない石段は正に無限回廊のようです。

登山道から停まっているロープウェイが見えました。あれらさえ動いていたなら今頃チェックインを済ませ山上を気軽にブラブラ散歩していたのに。

かなり登って、山荘や売店がある中腹の分かれ道で一休みしながら案内図を見ると「あと3.5km」。また友人の心が折れそうになっていましたので、諦めたらそこで試合終了だよという気合で先に進みます。

ただ秋の夕暮、あれよあれよと暗くなっていきます。下山中の客にあとどれくらいか尋ねると「1時間くらい」と言われ、気ばかり焦りますがもうお日様の光は諦めるしかありません。

足元を照らすのはスマホの電灯機能しかありません。街灯が無い山道で日が暮れるとどうなるかを身をもって知りました。幸いなのはこんな状況でも登山道を行き来する客が少なからずいるので遭難はしないという事です。それにしても彼らはこんな闇夜に無事下山しきれるのでしょうか。

先が見えない真っ暗な石段を登り終えると玉屏楼賓館は突然目の前に眩く現れました。予想外に突然のゴールでした。

黄山山頂のホテルはクソほど高いんです。現在でもツインルームで1000元(16,000円)以上もします。当時も個室を取ると1200元くらいだったと思います。一方でドミトリータイプのベッド単位売りもしており、これは確か300元くらいだったはずです。今回はご来光を拝んだりするため、どうせ寝るだけだと踏んでドミトリーにします。本音は1200元がお財布に優しくないからです。

山上には民宿風の安い宿泊施設もいくつかあり、ドミトリーで一人100元台のベッドがあります。ただ当時そういうところはほぼ外国人お断りで予約できませんでした。

この賓館は想像していたような、二段ベッドが並べられた合宿所みたいな部屋ではなく、4人用の標準ベッドルームでした。これなら居住性はシティホテルと変わりません、西洋人の若者が一人同室でしたが、まあ割と楽に過ごせました。

トレーニングの成果は十分出ましたが、やはり疲れはあります。更に夜ちょいと外に出てみると一面ガスっていまして、早起きする気も無くなりましたが、日の出前にあの西洋人が大音量でアラームを鳴らしやがりまして(責めるべき事ではないですが)目が覚めてしまいましたので顔も洗わず外に出てみると…

日の出は残念ながら雲の向こうでしたが、五絶の一つ「雲海」はやはり壮観な眺めでした。アラームに感謝します。ここまで来てぐーすか寝坊したら後悔するところでした。

黄山風景区
高速鉄道駅・空港・市街地からバスで麓の湯口鎮(南門)へ入るのが一般的な選択 その他西門と北門の入山口があるがそちらへアクセスするバスは本数が限られる

旅行時期:2016年秋